短編

□また一つ好きになる
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「私も持つから」

俺に気を遣ったのか、紗衣ちゃんは一つ荷物を持った

「え、いいよ。なんで…」

「だって…剛ちゃんが両手で荷物を持ったら手繋げないじゃない」

少し頬を赤く染めて照れたように言うからどうしようもないくらい可愛くて―


「しょうがないなぁ…」

空いた方の手で紗衣ちゃんの手を握った


そしたら、紗衣ちゃんは分かりやすいくらいにニコニコと笑いながら歩いた






そして家に着いて一緒に作ろうって言ったら―

「ダメ!私が作るから剛ちゃんは向こうで待ってて!」って言って
俺は仕方なくリビングで大人しく待った

チラッとキッチンの方を見てみると俺のエプロンをつけて料理を作ってる紗衣ちゃんの姿

その姿も可愛くてずっと見つめてると―
「…剛ちゃん、じろじろ見ないでよぉ…」

照れくさそうに笑ってる紗衣ちゃんを愛しくて微笑ましく見つめる




「はい、完成!」

「おー…」

テーブルの上にはハート型のハンバーグ
やべぇ、スゲェ美味そう…

ハンバーグに口を運ぶと―

「……うまい」

「ほんと?よかったぁ」

紗衣ちゃんは安心しながらも自分のハンバーグも口に運んだ

「ごちそうさま」

「うん。じゃあ片付けとくね」

そう言って紗衣ちゃんは食器を持ってキッチンに行った

なんだか、こうしてると夫婦みたいだ

いつか、夫婦になるかも…

「……剛ちゃん、なにニヤついてるの?」

いつの間にか終わっていた紗衣ちゃんが俺の目の前に現れた


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