四聖獣

□戦乱の幕開け
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「龍坊・・一体どうなってんだ?」
「いや・・俺はそんな話知らねぇ・・」
「ふむ、つまり今回のことは龍坊は知らないんだな?」
「あぁ・・・俺は本当に何も聞いちゃいない。それで紫皇の奴は何て?」
「何考えてるか知らんがこの魔犬族の国の領地を全て明け渡せだとよ・・」
「はあ!?本当に紫皇がそう言ってきたのか!?」
それが本当なら自殺行為もいいところだ。この魔犬族の王、海牙という男は魔界の中でも魔王と並ぶ力を持つ四大王の1人として恐れられているかなりの大物である。
そんな男にあの臆病な紫皇が喧嘩を売ったのか?
その上魔王になった?・・・やばい、頭が真っ白になってきた。
「ああ・・ちっとばかし面倒くさいことになりそうだな」
「その使者はもう帰ったのか?」
「・・・フ」
「・・嫌な予感がしてきたんだけど、まさか・・殺してないよな・・?」
「ちゃんと生きてるはずだ!」
「はずだ!ってなんだよ!?」
「返事代わりに半殺しにしただけだ」
「って事は・・・」
「欲しけりゃ奪えってことだ」
おっちゃんの目が鋭いものに変わった。
「おっちゃん・・俺」
「ん?心配するな!あいつの頭冷やさせるだけだよ!お前は気にせずここにいていいからな!」
そう言ったおっちゃんの表情は笑顔に戻っていた。
「ありがとう!おっちゃん!」
「へへ・・後は龍坊がうちの娘の華恋と・・」
「またその話かよ!華恋が聞いたら怒られるぞ!」
「華恋はまんざらでもなさそうだぞ?」
「!!そ、その話はもう終わりだ!」
ニヤリと笑うおっちゃん。なんか無性に腹が立つ。
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