桜並木口

□子猫と剣心。
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「にゃお。」


「おろ?猫?」

「にゃお。」

「おいで。」


或る日の昼下がり、夕飯の献立を考える剣心と一匹の猫。


縁側に腰掛けていた剣心の足の中にすっぽり収まり満足気な猫、優しく幼子を見つめるような眼差しで猫に語りかける剣心。

優しく撫でるとごろごろ喉を鳴らす。

小さい頭をぐいぐい押し付けて強引に甘えてくる。

「ふっ…ふっ…、まるで誰かさんみたいでござるなぁ。」

自然と笑みが溢れてしまう。

その瞬間甘えていたのが嘘の様に子猫が剣心の足の中から走り去り部屋の中に入って行った。

後も振り返らずに。

「おろ?気分屋さんでござるなぁ。拙者の気を引くの上手なとこも似てるでござる

よいしょと立ち上がって子猫が向かった先へ追って行く。
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