桜並木口
□改めて想う
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「薫殿ー。薫殿、ご飯出来たでござるよー。薫殿ー。」
夕飯を仕上げた剣心は家中を先程から探し回っていた。
まずは道場、いないー。
縁側、居ない。
「おろ?部屋でござるかな?」
コンコン。
「薫殿ー。ご飯でござるよー。」
音がしそうな位、静かな家の中。
黙ったままの部屋たち。
「薫殿、入るでござるよ。」
心配になりそっと薫の部屋を覗いて見た…が誰も居ない。
「おろ?またはずれでござる…。」
少し人の気配の無さに溜め息が漏れそうになる。
(?)
その時、目に止まった薫殿の机の上の本。
無造作に広げられている。
覗きこむと何やら悲恋物語。
ちょうど二人は離れ離れに…。
!?
薫殿が何処かで泣いている気がした。
「薫殿っ。」
急いで家中を探す。