桜並木口
□華唄
1ページ/6ページ
「じゃあ、今日の稽古はここまでよ。弥彦、赤べこ行く時間じゃない?」
竹刀を置いて薫が言う。
「えっ!?あっ!!いけねっ!薫、昼飯いらないって剣心に言っておいて!」
薫の言葉に時間を忘れて稽古していた弥彦が後も振り返らず駆けて行った。
(本当に忙しい子。)
薫は優しく微笑みながら思った。
(お昼まではまだ少し時間がある、剣心は台所かしら?)
なんて事思いながら自然とそちらの方に足が向かう。
ふわり。
お味噌の香りと煮物甘しょっぱい香りが鼻をかすめた。
(いいにおい♪)
自然とにやけてしまう。