リクエスト小説
□愛情のカタチ
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「ぐあっ!」
「二度と僕の前に姿を現すな」
偶然サレと遭遇し、向こうから戦闘をしかけてきた。
それを返り討にしたリオン。
リオンはサレに止めを刺す事はせず、彼の前から姿を消した。
そんなリオンの姿をサレは新しい玩具でも見つけたような目で見ていた。
「ふふふっ、いいねぇ〜彼のあの眼。絶望に歪ませたい。僕に止めを刺さなかったこと、後悔させてあげるよ」
それがサレのリオンに対しての執着の始まりだった。
* * *
ある日、リオンはユーリと2人で討伐クエストに出かけていた。
「ふぅ、こんなものか?」
辺りの気配を探り、魔物がいないのを確認すると剣を鞘に収めた。
「さっさと戻るぞ」
「久々に2人っきりになれたんだ、少し寄り道しようぜ」
そういうとユーリはリオンの腰を抱き寄せ、太い木の幹に押し付ける。
「ば、馬鹿か貴様は!」
「たまにはこういうのもありだろ?」
「ふざけっ、んぅ!」
ユーリがリオンの口を自身のそれで塞ぐ。
2人は甘党という繋がりから、いつの間にか恋仲にまで発展していた。
なかなか2人っきりになれることがなく、今回偶然にも2人っきりになれたので、この機会をユーリがみすみす逃すはずが無い。
「誰が見てるか分からないんだ!こんな所でどうかしている!」
「本当だよ。やめてくれるかな、僕の玩具にちょっかいかけるのをさ」
『!!』
招かれざる客に、ユーリとリオンは離れ、柄に手を掛ける。
「覗きとは悪趣味だな」
「失礼だな、君は。そっちが盛ったんだろ?」
「まぁ、否定はしないけどな。それよりも、姿を現したらどうだ、サレ!」
「ふふ、お久しぶり。リオン・マグナス」
木の陰から姿を現したサレの目は、リオンしか捉えていなかった。
「この間はどうも」
「僕の前に現われるなと言ったはすだが?」
「そうだったかな?それより、僕は君に用事があってね」
「僕にはない!」
「連れないなぁ〜僕は、こんなにも君が欲しいのに」
「なっ?!」
「リオン!」
ゆっくりと近づいていたはずのサレが、突然リオンの目の前に現れた。
それにリオンもユーリも驚きを隠せない。
「ねぇ、僕と共に来なよ」
「悪ぃけど、リオンはやらねーよっ!蒼破刃!」
「ちっ……!」
サレ目がけて放たれた剣技は彼に当たることはなかった。
だが、リオンから退かせることが出来た。
「お前、邪魔だな。まずは、お前を殺してからだ」
「はっ!やれるもんならやってみな!」
サレが剣を抜いたのが、戦闘の合図となった。
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