リクエスト小説

□ハニートラップ
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これはとある男子校のとある2人を巡っての出来事である。


「あーもう!こっちに来るんじゃねー!!」


学校の廊下を猛スピードで走り去って行くのは、ユーリ・ローウェル。


「マジ、逃げてんじゃねーよ!」
「ユーリ!どうして逃げるんだい?」


そのユーリを追い掛けているのが、ルーク(長髪)とフレンである。


「何なんだよ、一体?!何で俺が追われなきゃいけねーんだ!」


追われている理由が分からないユーリは、苛立ちだけがつのっていく。

そして、廊下の角を曲がろうとしたとき、その角から人影が現れ、ユーリはその人影と盛大にぶつかった。


「いってぇ………悪い、大丈夫か…、リオン?!」

「ユーリ?!」


ユーリがぶつかった相手はリオンであった。

名を呼ばれぶつかった相手を確認したリオンだったが、自分の置かれている状況を思い出したのか、今自分が来た廊下を振り返る。

その廊下の向こうから、銀色の髪の生徒と薄い赤色の髪生徒が走って来ていた。


「悪いが、僕は急いでいるんだ」

「奇遇だな。俺もなんだ」


2人はそれぞれが来た廊下を入れ替わる様にして進もうとして足を止めた。


「まさかだと思うが……お前も、追われてる?」

「そのまさかだが、貴様もか?」

「まぁ、そういうことだ」

「ということは、どちらに行っても面倒だということか」

「みたいだな。てことは、こっちの方しかないか……」


2人が見るているのは、階段。

ちなみに2人がいる場所は1階のそれも校舎の一番端。

逃げ道は今のところ上に行くしかない。


「リオン、この際、一緒に逃げるか?」

「………仕方ない、いいだろう」


2人が階段を駆け上がるとすぐに、2人がいた場所に同じ様に追っている側の生徒らが出くわすのだった。


それを階段の上で見ていた2人は、今のうちにと持ち前の素早さで逃げ去ったのだった。











二階から裏庭まで降りてきた2人は、誰も追ってきていない事を確認すると近くのベンチに座り込んだ。


「はぁ、はぁ……あいつら、一体何なんだ?」

「僕が知るわけないだろう……」

「何でお前は追われてたんだ?」

「急に僕のクラスに現れて、わけの分からん言葉を並べるものだから、鬱陶しくて去ろうとしたら、しつこく追われたんだ」

「俺と同じだな」


ユーリはリオンが同じ状況に置かれていることを知ると、肩を落とした。



彼らがどうして追われる羽目になったかというと、今から30分前の事だった。








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