企画小説

□偽り
1ページ/4ページ





幼いころは家族の愛というものを羨んだこともあった。

父に認められたいと、自分を見て欲しいと何度も思った。

それが、願わない方法で実現するなど思いもよらなかった。




*   *   *



夜、ヒューゴに呼ばれてリオンは彼の私室へと向かった。

部屋に入れば、ヒューゴはまだ執務を行っていた。


「ヒューゴ様、御用件は?」

「お前も1人で充分に任務をこなせるようになったな」

「ヒュ、−ゴさま?」

「ゆっくり2人になろうか。寝室へ行っておきなさい」


予期せぬヒューゴの言葉に、リオンは不審に思ったが、いつもと違う態度に、どこか気持ちが浮ついていた。

寝室へ消えていくリオンをヒューゴは横目で確認した。

その時、ヒューゴが意味深な笑みを浮かべたのをリオンは知らない。






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ