企画小説

□夏祭り
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夏になれば、多くのイベント事が待ち受けている。

その中でも大きなイベントと言えば、夏祭りだろう。

そして、祭りで打ち上げられる花火は格別である。

それはどの街でも例外なく行われる。



「坊ちゃん!お祭りですよ、お祭り!!」


リオンの部屋に慌てて入って来たので、何事かと思い聞けば、そんな事だった。

シャルティエは祭りのチラシを持って、リオンに見せつける。


「しかも、今日は花火大会ですよ!!」


シャルティエの表情は楽しそうで、目は行きたいと言っている。


「人ごみは嫌いだ」

「そう言わずに、行きましょうよ!リンゴ飴とか食べましょう?」

「しかし……」

「それに、このお祭りなら穴場を知ってますから!ね?」


ぐいぐい押してくるシャルティエに、これ以上返す言葉もなくリオンはしぶしぶ頷いた。


「じゃあ、折角なんで浴衣着ていきましょう!」

「別にこのままでもいいんじゃないのか?」

「え〜もったいな〜い!年に一度のお祭りですよ!こんな時に浴衣着ないで、いつ着るんですか!!」


強引にも強引にチラシを突き付けながら、物凄い形相でリオンに言い寄る。


「でも、僕は浴衣なんか持っていないぞ?」

「大丈夫です!僕が坊ちゃんの分まで用意しますから!だから、着ましょう?」


にこやかに首を傾げて、リオンの返答を促す。


「わ、分かった…」

「やったー!じゃあ、僕準備してくるんで、夕方出かけましょうね!」


それだけを言い残すと、脱兎のごとく部屋からいなくなった。

急に静かになった部屋に、リオンの溜息だけが響いた。







そして、夕方、あれよあれよとシャルティエに浴衣を着つけられて、祭りに行く準備が整った。



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