企画小説
□駒
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夜中、リオンはある部屋に向かっていた。
そのリオンの表情は険しい。
目的の部屋へと辿りつけば、控え目にノックをする。
「ヒューゴ様、リオンです」
「入れ」
控え目に部屋に入れば、執務を行っているヒューゴの姿があった。
そのヒューゴは入って来たリオンに目をやることはなく、ひたすら資料に目を通している。
リオンも余計な言葉を発することなく、ただ扉の前に佇むだけだった。
「シャルティエは置いてきたか?」
「はい、この通り」
丸腰であることを示し、それをヒューゴも横目で確認する。
シャルティエがあると困ることがあるのかと思うが、ヒューゴの考えはリオンにも予想がつかないので何も言わない。
「リオン、今日で16だったな」
「!!」
驚愕的な言葉にリオンは目を見開く。
そんなリオンを他所に、ヒューゴは値踏みするように上から下へと体を確認する。
そして、一つ笑みを浮かべると、リオンに寝室に来るように言った。
普段入ることを許されていない寝室に呼ばれたので、自然と身構えてしまう。
ヒューゴはベッドに腰掛けると、身構えているリオンを可笑しそうに笑った。
「何を警戒している?こっちにこい」
ヒューゴの言うことは絶対なので、リオンは警戒しつつも近寄る。
ヒューゴの手が届く範囲に入ると、腕を引かれ、ベッドの上に押し倒された。
「ヒューゴ、さま…?」
「そろそろ次の段階に入ろうか」
「次、とは……?」
「次の任務のことだ」
「任務?」
「少し、黙っていろ。それから、抵抗すればどうなるか分かっているな?」
「っ!!」
射るような視線を向けられ、体が委縮する。
それをいいことに、リオンのベルトを外し、服に手を掛けた。
「!?……ヒューゴ様っ!?」
「黙っていろ、と言ったはずだ」
これから何をされるのか理解し、声をあげる。
だが、リオンの意思などヒューゴには関係ない。
「まず、感度からだな」
そう言うと、ヒューゴはリオンのそれをいきなり口に含んだ。
「うあっ!」
突然のことに体がピクリと跳ねる。
ヒューゴがそのまま刺激を与えていくと、そこは熱を帯び始め、勃ち上がる。
「ひっ、あ!……っ?!」
自分でもほとんど弄らないそこを他人それも実父に弄られることに困惑する。
しかし、体は与えられる刺激に反応し、聞いたことのないような高い声が上がった。
その声に、ヒューゴが反応した。
言葉は何も発しないが、顔には愉悦の表情を浮かべていた。
「ゃ、ぁ……、っ!」
ピクピクと内腿が痙攣し、達した。
性急な性行為に、口淫だけでリオンは倦怠感を感じ、ベッドに沈んでしまった。
ヒューゴは事前に用意していた水を飲み、口の中を濯ぎながらリオンを窺った。
「感度は良いが、これでは使い物にならんな」
「ヒュ、ヒューゴ様……」
「明日も同じ時間に来い」
それだけを言い残すと、寝室を後にした。
それからリオンへの調教の日々が始まった。
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