企画小説

□暑さ故に
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「あ〜…ぅー」


蒸し暑いこの時期、窓を開けて通気を良くするも入って来る風はほんの僅かで、室内の温度は上昇するばかり。

そんな暑い部屋の中で、シャルティエは食べ終わったアイスの棒を口に銜えながら、呻いていた。


「ぅー…あ〜つ〜ぃー」


少しでも冷気を感じようと、床の上に寝転ぶ。


「あ〜…つっー」


そればかり口をするシャルティエに、同じ部屋にいるリオンの苛立ちはつのる一方だった。


「あっつい!あつ〜い!」

「うるさいぞ、シャル!聞いているこっちが暑くなる!!」

「だって、この暑さは異常ですよ!」


リオンは読んでいた書物を閉じると、ベッドに腰掛け、アイスキャンディーを食べ始める。


「あ、いいな〜」

「シャルは既に食べただろ?」

「この暑さなら、何本でも食べれますよ!」


リオンはアイスと格闘し、シャルティエの言葉は右から左へと抜けていった。

暑さのせいで、アイスは解け始まるのが早い。

解けたアイスが落ちないように、リオンはアイスの下側を軽く吸って、舐めた。

その姿をシャルティエはぼーっとしながら、眺めている。

また上からアイスを銜えて、落ちそうになるアイスを舐めたり、吸ったりなどを繰り返す。

中間ぐらいにさしかかると、リオンはアイスを深く銜えて、少し口をすぼめた。


(なんか……エロい)


アイスをただ食べているだけなのに、シャルティエからすればその仕草がエロく見えていた。


(アイス食べてるだけなんだけどな〜)


リオンはアイスを途中で齧ることなく、舐めていく。


(普段、そんな意識しないのに……)


床の上をごろごろしながらも視線はリオンの口元に釘付けだった。


(あつい……)


リオンが残り少ないアイスを口には含まず、下側から上へと舐めて、吸っている。

その時のリオンの頬は薄ら赤く、目は半分閉じられていた。

それが暑さのせいからきているのだが、暑さで正常な判断が出来ないシャルティエから見れば、誘っているようにしか見えなかった。


(あっ、今の表情、いい……あ〜、坊ちゃんと……ヤりたい)


シャルティエは次第にムラムラし始めた。

シャルティエの視線に気が付いたリオンは、首を傾げながら問うた。


「シャル、そんなにもう一本食べたかったのか?」

「そう…、ですね〜」

「そうか。だったら…」


そう言って立ち上がったリオンは、シャルティエの元に向かう。


「シャル…」


リオンが名を呼ぶも、シャルティエはぼーとしたまま彼を見ていた。


「シャル?どうかした……っ?!」


屈んだリオンを引き倒すと、シャルティエはリオンの首筋に顔を埋めた。

少し汗の臭いがして、シャルティエの欲を煽った。


「坊ちゃん……」

「ど、どうしたんだ?」

「……もう一つ、食べたりしませんか?」


その言葉がさす意味をそのまま受け取ったリオンは、軽く頷く。


「まぁ、シャルが食べるなら、食べてもいいが…」

「ふふっ、じゃあ食べましょうか」


そう言って、シャルティエはリオンのズボンに手を掛けた。




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