長編3

□X
1ページ/9ページ




今日もリオンは朝から授業を受けるためにクラスにいた。

一番つまらないと思った授業が午後からあるので、生徒会室へ行ってサボろうと決めていた。

それも一つの要因でもあるが、ユーリとアッシュが作るご飯及びおやつを食べたいからでもある。

彼らが料理が上手いということを知っているのは、生徒会と前生徒会及び親衛隊隊長のみである。

親衛隊隊長らが彼らの料理を食べれるのは、ごくたまにである。

今日は予鈴ギリギリに登校してきたリオン。


「遅かったね」

「……早く来ても時間を持て余すだけだからな」


それをここ数日で学んだ事だった。

教科書などを机に入れようとしたとき、中に一通の手紙が入っていることに気付いた。

教科書など入れ換えると、封筒の裏を確認したがやはり名前は無かった。


「カイル、誰が僕の机の中に手紙を入れたか知ってるか?」

「知らないよ?俺が来たときは、誰もリオンの机には近寄らなかったよ」

「そうか」


会話がそこで打ち切られると、授業開始のチャイムが鳴った。

必要な教科書とノートを取り出すが、やはり手紙の内容が気になるので、教科書を開けてすぐに封筒を開けた。

中には一枚の手紙と一枚のカードらしきものが入っていた。

まず、手紙を取り出しそれに目を通した。





『親愛なる リオン・マグナス様


昨日の手紙を持って帰ってくれるなんて嬉しいよ!

やっぱりあなたは優しい人だ。

でも、一通目はゴミ箱に捨ててたよ?

優しいあなたのことだから、捨てたのはあなたじゃないって分かってる。

生徒会長たちなんだよね?

ムカつくなぁ……

生徒会長たちに騙されないで!

僕はあなたが好きだから、騙されてあとで傷付いた姿を見たくないから言ってるんだ!

今日はあなたにプレゼンとがあるんだ!

一緒に入れといたから、大事にしてね』




内容が昨日の手紙のことを書かれ、それらの行方を把握していることに、リオンは寒気を感じた。

偶然見てしまったのではないのかと思いたいが、ユーリが言っていた『ストーカー』という線も拭えきれなかった。

手紙に書かれているプレゼントであろうカードを取り出し、恐る恐る表に向けた。


「!!」


そこにはリオン自身が写っていた。

写真なのかと思いきや、ブロマイドのようにしてある。

その写真が校内で隠し撮りされているならまだしも、リオンが自分の寮部屋へと入る瞬間を撮られていた。

人の気配に敏感なリオンでさえ気付かなかったので、さらに寒気を感じていた。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ