長編3
□U
1ページ/8ページ
「リオン・マグナスだ」
早速冒頭から自己紹介するはめになってしまったリオン。
リオンのクラスには生徒会メンバーはいない。
基本生徒会のメンバーは授業に出なくとも許されている。
それでも元々リオンがいるクラスには彼らはいないのだ。
リオンの親こと理事長のヒューゴならば彼らと同じクラスにしそうなものなのだが、そこは一般生徒と同じように扱っているようだ。
(厄介な連中が4人いや3人だな)
そうそう溜息を吐きたくなった理由というのは、生徒会の親衛隊隊長が集まっているからだ。
全員で4人なのだが、3人と言ったのはフレンの所の親衛隊を除いたからだ。
「それじゃあ、リオン君は……彼の横の空いている席にでも座ってくれ」
担任が指した場所は、窓際の席。
その空席の隣には、金髪のツンツン頭が印象的な生徒だった。
リオンは向けられる親衛隊からの殺気を受け流し、その金髪の生徒の横の席に座った。
「オレ、カイル!カイル・デュナミス、よろしくね」
「カイル……」
席に座って初めてまともにその生徒の顔を見たリオンは、驚いていた。
「あれ?オレのこと忘れた?」
「いや、そんなことはない………」
「良かった!…………本当に、リオンなんだよね?」
どこか悲しそうに訴えてくるカイルの目に、リオンは一瞬言葉を失くした。
(よりによってカイルと同じクラスとは……)
リオンはカイルに対して何か言おうと口を開きかけたが、それはすぐに閉じられた。
「やっぱり、リオンは凄いね!あの人達の殺気を簡単に受け流すんだもん。でも、後が怖そうだけど」
「あいつらは誤解しているだけだ。奴らとは何もないと分からすまでだ」
「生徒会メンバーと何もなかった、か。うん、それが良いよ!!」
どこか言葉の節々に含みのある言い方をするカイルに、リオンは不信感を抱いたがそれをすぐに捨て去ろうと窓の外を眺め始めた。
それからまもなくして、一限目が行われた。
.