長編3
□支配
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僕たちは6階の守護者であるフィンレイ様を目の前に対峙している。
「ジューダス、どうするんだ?」
「………分からない」
「分からないって……じゃあ、一度このまま倒してみるか?」
「それはダメだ!倒してしまえば、フィンレイ様は消え、この階から強制的に出ていかなければならない。そうなれば、また一からのやり直しだ。それに……」
「それにどうしたんだよ?」
「………いや、何でもない」
僕自身が一からやり直せる自身がない、などと彼らに言えるはずもない。
「本当に何かないのかよ!!……っと!」
ロニが攻撃を避けながら、聞いてきた。
僕は考えを巡らせるが、そちらばかりに集中してもいられないため、何か良い対策が考えつかないでいる。
「リアラ!お前の力でアルカナルインの力をどうにか出来ないかっ?!」
「無理よ!!私の力は、レンズがあってのものなの!何か巨大なレンズか、強力なレンズがあれば、どうにか出来るかもしれないけど……」
「だとよ、ジューダス!何か無いのか?!」
フィンレイを倒さない様に、メンバーたちは上手く攻撃を避けてはいくが、避けるだけにはそろそろ限界があり、かつこれまでの戦闘の疲労も蓄積されているので、メンバーたちの動きが徐々に鈍くなっていく。
「くっ!」
「カイル!!」
カイルが少しバランスを崩した。
ずっと前衛で戦ってきたカイルの足腰に慰労の色が見える。
それを視界の端に入れたジューダスは、何か策を考えねばと思い、必死に考える。
「……巨大、……強力、………レンズ……っ!!」
思いだした!
昔、シャルが言っていた。
『アルカナルインの最下層には、巨大なレンズがあるらしいですよ〜なんでも、それで最下層にいる最凶、最悪な過去の亡霊を封じているとか?まぁ、噂ですけどね!』
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