長編3
□思念
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あれからどれくらいが経ったのだろうか?
此処に来てから、こうして時々ふと私の意識が戻ることがある。
だからといって、アルカナルインの力に支配されている私の魂が、元に戻る事はない。
だが、本当にそれとは別に、意識が戻るのだ。
それがどうしてなのかは分からない。
別に知りたいとも思わない。
だが、これが特別に何か意味するのならば、私は理由をしりたいと思う。
けれども、こうして何かを考え始めれば、すぐに深い眠りに尽かされる様に、意識をもっていかれてしまう。
死者には、思考など必要ないととでも言うかのように。
あるいは、後悔の念を絶たれて困るとでも言うかのように。
そして、また、意識が途切れる。
『思念』
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