長編3

□思念
1ページ/10ページ




あれからどれくらいが経ったのだろうか?



此処に来てから、こうして時々ふと私の意識が戻ることがある。


だからといって、アルカナルインの力に支配されている私の魂が、元に戻る事はない。



だが、本当にそれとは別に、意識が戻るのだ。



それがどうしてなのかは分からない。



別に知りたいとも思わない。



だが、これが特別に何か意味するのならば、私は理由をしりたいと思う。



けれども、こうして何かを考え始めれば、すぐに深い眠りに尽かされる様に、意識をもっていかれてしまう。



死者には、思考など必要ないととでも言うかのように。



あるいは、後悔の念を絶たれて困るとでも言うかのように。





そして、また、意識が途切れる。









『思念』



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ