長編3

□再会
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「で、こうして来たものの、ここはどこ?」


カイルたち皆が辺りをキョロキョロと見渡していた。


白銀の世界。


空が外郭大地に覆われて、より白が鮮明に浮かび上がっている。



「おそらく、ここはジェノス近郊だと思う」


「あっ、待ってよ!」


ジューダスが我先に歩いて行くので、その後をメンバーが慌ててついて行く。


「本当に、ミクトランの馬鹿はやらかしてたのね」



「おいおい、ハロルドιもう少し、オブラートに包めねーのか?」



「私は率直な意見を述べたまでよ!ジューダスの過去には興味は無いの!未来の歴史を実際にこの目で見て確かめる所に面白みがあるんじゃないの!!」



「じゃあ、何で今回のこともノリノリだったんだ?」


聞かなくても分かるであろうが、敢えて聞くロニ。



「そんなの決まってるじゃない!!魂を繋ぎとめているアルカナルインにも興味があるし、それをどうやって解放するかということにも興味が湧くってもんじゃない!!」



瞳を輝かせながら、さらに続けた。



「倒しても倒してもまた甦る!どんな仕組みになってるかワクワクするじゃない♪それに、解放するためにあらゆる手が試せそうじゃないの……ぐふふふっ」



怪しい笑いを携えた天才様程、近づきたくないものはない。


「おい、ジューダス。本当に、ハロルドを連れてきて良かったのか?」



こっそり耳打ちをするロニ。


出来るだけハロルドには聞かれないよう、それはそれは小さな声で。



「知るか。そんなものカイルに聞け!」



少々苛立ちが含まれている声音に、ロニは苦笑するしかなかった。



そんなこんなで会話もしているうちに、目的の建物が見えた。


「着いたぞ」


「何だか年代物って感じがするね〜」


「一応、国の所有物だからな。目的の場所は、この神殿の奥だ」



そして、ジューダスを先頭に神殿内へと入っていった。



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