長編3
□仲間
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カイルたちに割り当てられている部屋の一室では、ジューダスの帰りを今か今かと待ち侘びているメンバーがいた。
3人は本当に純粋な気持ちで、1人は実験対象であるかのように興味津津で、残りの1人は少し茶化してやろうという気持ちだった。
その時、ちょうど扉が開かれると待ちに待った人物が姿を現した。
その人物も全員が席についてこちらを色んな感情の籠った目で見られているので、驚きと呆れを隠せなかった。
「お前たち……一体、何をしているんだ?しかも、全員がしっかり着席してれいるとは、明日にでも何かが起こりそうな勢いだな」
「んだと!せっかくこうしてお前を待ってやってたのに、礼の一つもないわけか?!」
皮肉を交えたジューダスの物言いに突っかかって来たのは、やはりというべきかロニだった。
「もう、ロニの馬鹿!ジューダスは何も知らないんだから、そんな言い方しないでよ!!」
だがそれも、カイルの一言で一蹴されてしまった。むしろ、貶されたというべきか。
「ジューダス、早く座ってよ!」
着席を促すカイルに、仕方がないと言わんばかりにジューダスが溜息を吐いた。
「それで、今度は何がしたいんだ?」
「うわぁ〜やっぱり、ジューダスは何でもお見通しだね!」
「お前が何か企んでいる時は、大抵子供じみた馬鹿げた顔をしている」
再びの皮肉に苦笑するしかなかった。
「で、要件を早く言え」
その言葉に、何から言い出そうか迷っていたカイルだったが、リアラの方をちらちら見ながら、ゆっくりと話し始めた。
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