長編2

□21章
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2人の切なる願いを聞いて、シャルティエは笑顔を向けた。


(大丈夫ですよ!僕に任せて下さい!!坊ちゃんの笑顔を、幸せを取り戻すことは、僕の願いでもあるんですから!!)



───ありがとう、シャル。



(その言葉は、笑顔を取り戻してからにして下さい。必ず、この時代の坊ちゃんごと救い出して見せます!!)


シャルティエの言葉に2人が安堵した束の間、空間が少し歪んだ。



(な、何?!)



───輪廻が歪み始めてる。



───俺達にも時間が残されていない。俺達も中から呼びかけます。だから、後はお願いします!


2人の体が光に包まれ始める。



───シャルっ



(大丈夫です!!僕を信じて下さい、坊ちゃん)


シャルティエはニコッと微笑み、それに対してリオンが頷く。



そして、再び目の前が光に包まれた。




*   *   *



今まで眠っていたシャルティエの瞼が、ゆっくりと持ち上げられた。



「坊ちゃん」


ゆっくりと体を起こす。


その時に腹部に痛みを感じるも、気にしてなどいられなかった。


一刻の猶予も許されない。


シャルティエは痛む体に鞭を入れながら、保健室を後にする。







(お願い、間に合って!)


そう祈りながら、廊下を駆けていく。




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