長編2
□14章
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男は電気も付けずに、暗い部屋でモニターを見ている。
そんな男の横では、少年が気を失っているかのように眠っていた。
男は彼を横目で確認すると、口の端を上げた。
「さあ、どう奴らを遊んでやろうか?見られているとも知らずに、必死に動き回っておるわ。それが私の掌の中だとは知らずに……くくく」
愉しげに嗤う男は、少年の髪をそっと撫でた。
それに身体がピクリと反応するが、目を覚ます事は無かった。
「お前はどうすればもっと壊れる?奴の顔が絶望に歪むのが見たい」
男はモニターを操作する。
モニターの中央に、2人の生徒と1人の青年が映し出される。
「彼奴らをどう使うか。特に、この男」
さらにアップされたのは、栗色の髪を持った生徒だった。
「こいつは使えそうだ」
その後、その部屋には眠る少年しか残されなかった。
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