長編2
□13章
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それは一瞬のフラッシュバックの様な事だった。
頭に今までの記憶が走馬灯のように流れ込んできた。
そして、はっと気がついた時には、リオンの姿は既に無い。
「…………っ、リオン!?」
辺りを見渡すもリオンの影など見当たらない。
「くそっ!!」
リオンを探したかったが、今はそれどころではない。
シャルティエが血を流して倒れているのだ。
「シャルティエっ!!しっかりしろっ!」
シャルティエを抱き起し、呼びかけると、ピクリと彼の身体が反応した。
「…………ス、……ン?……よか、…た……か……せい……した、っ……だ……」
「喋らないで下さい!今応急措置しますから!!」
傷口を布で押さえつけるも、血が止まらなかった。
「ダメだ。このままじゃっ…………?」
スタンの手の上に、別の誰かの手が重ねられた。
「あなたは?」
「フィンレイだ」
「フィンレイって、リオンが言っていたあの?」
「話は後だ。私も聞きたい事はある。だが、今はシャルティエ君の血を少しでも止めて、ハロルドの所に連れていくことが優先だ」
「は、はいっ!」
2人してやっとの事で血の量を抑える事が出来ると、傷口を抑えながらハロルドの元へと向かった。
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