長編2

□7章
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リオンが学校を暫く休んでいるということが、学園中に広まった。


何だかんだで目立っていた彼。


そんな情報は、いともたやすく生徒に知れ渡る。


だが、彼が保健室で療養と言う名の監視をされているという事は公にされず、風邪として処理されていた。






一方その頃………。





「はぁ〜リオン、お休みかぁ〜」



そんなリオンの情報を聞いた長髪で頭がぼさぼさな金髪の生徒・スタンは、机に突っ伏していた。



そんな彼の元に、肌が褐色で短く揃えられた銀髪の生徒が近寄ってきた。



「スタンさん、どうしたんですか?」



「あ、ロニ!おはよう」


「おはようございます。で、どうしたんです?朝から盛大にため息なんかついて」



「ん〜お前もリオンの噂耳にしてるだろ?」



スタンの口からリオンの名が飛び出して、思わず眉を潜めるロニ。


だが、それがスタンからしてみれば、リオンを案じての顔の様にしか思われなかったので、本心を知られる事は無い。



(リオンか………覚醒してないのに、やっぱりスタンさんは、あいつに夢中になるのか)



「あ〜風邪で休みっていう、あれ?」


「そう、それ!俺、折角リオンと友達になれて、早速ご飯に誘うとしたのに〜」



そして、スタンはまた盛大にため息を吐いた。



「いつの間にあいつと友達になったんです?」



「ん?ついこないだ。廊下でぶつかっちゃって……それから、夜に一度会って、俺の部屋に連れて話したんだ!リオンってさ〜笑うとすっげぇー美人なんだっ!!」



嬉々として話すスタンに適当に相槌を打つが、ロニの心中は穏やかではなかった。


(そうやって、いつもいつも俺から大事な物をお前は奪っていくのか!何度もスタンさんを巻き込んでっ)



「って、聞いてるロニ?」



「えっ、あぁ、聞いてます」



「てかさ、いつも言ってるけどさ〜同じ学年なわけだし、敬語やめろよな」



口を尖らしてぶつぶつ文句を言うスタンが可愛く見え、今度は穏やかに笑う。



「それは、無理です!俺が、やりたいからやってるだけです」



(これだけは譲れない。例え、同じ学年になろうとも俺は、あなたに救われているから)



彼の気持ちなど、スタンは知る由もなかった。



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