長編2

□6章
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1人がリオンを羽交い絞めにすると、主犯格らしき生徒が、リオンの腹に膝を埋め込んだ。


「がはっ………」


体格のある生徒の攻撃は、華奢な身体のリオンにはあまりにも重く、動きを封じるには十分だった。



背後の生徒から解放されると、リオンの膝が折れた。


「あの時には考えらえないぐらい、いい格好だなぁ〜」


「げほっ………っ!」



いくら輪廻の罪の鎖に繋がれているとはいえ、やはりただ彼らの敵意を甘受することは出来ず、彼らを睨み返した。


その瞳があまりにも威圧があり、彼らは一瞬怯んだ。



「………っ、何だよ、その目は!」


「裏切り者のお前が、抵抗する権利なんてねぇんだよ!!」



男の蹴りが、リオンの頭に当たった。



「………っ」


床に倒れ伏せたリオンは、軽く脳震盪を起こし、目の前が霞んでいた。



「はっ、お前に対しての報復は始まったばかりだ。せいぜい愉しみにしとくんだなっ!」



倒れているリオンの腹を蹴り飛ばし、彼らはその場から姿を消した。


それを視界の片隅に入れ、姿が消えたと同時にリオンは意識を手放した。










*   *   *





急に意識が浮上したリオンは、勢い良く身体を起こした。


だが、その反動に、先程受けた痛みが全身に伝わる。



「つぅ………」



あまりの痛さにしばらく動けそうにも無かった。




視線だけを動かすと、あの薄暗い部屋の中に居て、誰かが入ってきた形跡も無かった。



恐らく痣になっているであろう腹部に、何もしないよりかはマシだと思い、冷え切った手を当てた。



初めは痛んだものの、手の冷たさが篭った熱を冷ますには丁度良かった。



ゆっくり息を吸い、吐きだすだけでも痛みが生じるため、この部屋から出れそうにも無かった。


「…………はは、初日からこれか。でも、まだマシ……か」



過去の仕打ちと比べると、まだ優しい方だった。



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