長編2

□5章
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シャルティエはリオンを落ち着かせるため、眠らそうとした。


だが、それをリオンは頑なに拒んだ。



理由を聞けば、怖いと言う。


それが何を意味するか、シャルティエには痛いほど分かった。



自分も同じだからだ。


輪廻の鎖は、彼に比べればマシな方だ。



だけど、この苦しみからは逃れられない。


否、逃れる術を知らない。



この鎖から解放される方法を知っているのは、彼らだけだろう。



「坊ちゃん、何があったか教えてくれませんか?」



リオンを背後から抱きしめ、安心させるように頭を撫でた。



「…………っ、」



何か話そうと口を開くも、すぐに硬く閉じられた。



「じゃあ、答えなくていいので、僕の話を聞いて下さい」


こくりと頷いたのを確かめてから、シャルティエは話始めた。




「今までの輪廻は、あまりにも皆が離れすぎていました。彼らや僕が、貴方を見つけた時には、いつも手遅れだった。



知らないと思いますが、彼も同じ時代に輪廻転生はしていたんですよ?



ただそれが、運命の悪戯というのでしょうか?



2人が出会う前に、どちらかが消えてしまう。



それは今までの時代上、仕方ないことだと思います。



だけど、今回の輪廻だけは違う。



この閉鎖的な空間に、転生者が収容されています。



僕はここ最近、ずっとハロルドと調べてました。



今までの輪廻と今回の輪廻。



何かあるのではないかと。




でも、いくら調べてもこればかりはどうしようもく、輪廻から外れた者もおらず、終わり方など分かりませんでした。



だけどね、坊ちゃん。



良い事が一つだけありました。




それは、貴方と彼との距離が時代を重ねる毎に格段に縮まっています。



そして、今回が一番近い。



恐らく、この機を逃せば、この鎖から解放されることは出来ないと、僕らは推測しました。




だから、諦めないで欲しいんです。


もう、これ以上貴方に苦しんで欲しくない。



貴方の周りには、強い味方がたくさんいます。



そして立場上、皆貴方を支えれるような位置にいます。




だから、一緒に頑張りましょう?」



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