長編2
□4章
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「っ、………ぃ、あ……や、やめて………いゃっ………っ!」
リオンは頭を抱え、映像を追い出そうとして頭を左右に振る。
そして、映像だけのモノに音声が吹きこまれた。
『……を、返せ!』
『一度ならず、二度目までも、お前が壊したっ!』
──違う。
『また、あいつとグルになって、国を乗っ取ろうとしてるんだろ!!』
──あんな奴と関わってない!
『色仕掛けで相手を陥れるなんて…………なんて、恐ろしい!』
『あの人たちの優しさにつけあがって、いい気になるなよっ!』
──そんなことしない!
『………も、こんな奴に好かれたせいで、命まで脅かされたのに、こいつをかばうなんて、馬鹿な………だよな!』
──やめてくれ!……を侮辱するなっ!!
『この時代でも、またお前かっ!』
──僕じゃないっ!!僕は何も関わっちゃいない!
──どうして……どうして……誰も信じてくれない?
罵声と知らない自分の言い分とが、脳裏に焼き付いていく。
それに耐えられなくなったリオンは、小さく震え涙を流していた。
「………やめ、てっ………こんなの、知らなっ……っ、ぅ……やぁ………だれか……たすけ……っ!?」
突如、吐き気に襲われ洗面所に駆け込むも、何も食べていなかったため、胃液しか出てこなかった。
耳鳴りのようにうるさく響き始めたそれに、リオンはとうとう気を失ってしまった。
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