長編2
□2章
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「おはようございます、……坊ちゃん?」
部屋から出てきたリオンを見て、少し様子が可笑しいことに気付いたシャルティエは、首を傾げていた。
「どうかしましたか?」
「………何でも、ない。おはよ」
「でも、顔色が悪いですよ?」
「ちょっと、夢見が悪かっただけだ。もう、行く」
「えっ?行くにはまだ……」
学校が始まる時間にはまだ早い時刻。
それに朝食もまだ食べていないため、引き留めようとするが、リオンは聞く耳を持たなかった。
「行ってくる」
「あっ、ちょっと坊ちゃん?!」
シャルティエは寂しげな背中を呆然と見送った。
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