長編2
□序章
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それから記憶だけが時を巡った。
「………せいだ!」
「まだ、俺らを苦しめるのか!!」
「…………を返せ!今回もお前の仕業だろ!」
だが、待ち受けていたのは僕に対しての罪の鎖だった。
あの記憶を持っているのは、僕だけだと思ったがそうではなかった。
あの時に関わった者の記憶も巡っていた。
いつの時代も『彼』と会う事が出来なかった。
これが自分が犯した過ちだと割り切ってはいたが、記憶と今。
『僕は何もしてない!!』
そう叫んでしまいたかった。
だけど、あの記憶が僕を縛り付ける。
そして、極めつけがあの男の存在。
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