長編

□願うならば……13
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亥の扉を開くと、いよいよティベリウスとの戦いが待ち受けている。


「今度はジューダスも最後まで戦うのか?」


リオンに問われ、すぐに頷くことは出来なかった。


「もっと言ってやりなさいよ!いつも楽するんだから!!」

「ルーティさん、そのように仰っては……」

「何よ!フィリアだってそう思うでしょ?………まさか、グレバムの一味ってことは無いでしょうね?!」


ルーティが疑いの眼差しでジューダスを見る。

それに便乗して、ディムロスも問い掛ける。


『我には、戦うというより剣技を見られたら困るように見えるがな』

『どういうことです?』

『ジューダスは今まで敵の急所を見事に突き、一撃で仕留めておったからの〜 しかもじゃ、晶術はあの一度きりじゃ』

『老の言う通りだ。それから、肝心な戦闘には必ず姿を消す。そろそろ説明して貰おうか』



辺りを見回すと皆の視線が自分の方に向いており、答えなければいけない状況に陥っていた。


「何か勘違いしていないか?僕はあくまで貴様らの助っ人。僕は僕なりの理由があって、いたりいなかったりしているだけだ」

『だが、一緒に旅をしている以上仲間ではないのか?!』

「ふん………まぁ、いいだろう。1つだけ教えてやる。僕もある人から任務を受けている身。その任務を全うして何が悪い」


その発言に一番驚いていたのがリオンだった。

そして少し気まずい雰囲気が流れた辺りで、スタンが口を開いた。


「何だっていいじゃないか!ディムロス、それにルーティも、ジューダスさんを疑うのは良くないし、ピンチだった時、助けてくれたじゃないか!なぁ、リオン?」

「なぜ僕に振る!?………まぁ、ジューダスの手助けなど必要ないがな」


「…………分かったわよ」

ルーティが諦めて、それ以上追及することは無かった。

それはディムロスもである。


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