長編
□願うならば……13
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一時的にフィンレイと別れたジューダスが訪れた場所は、モリュウ領ではなくトウケイ領であった。
ティベリウスとグレバムがいる城へと行くと、既に幾つかの仕掛けが解除されていた。
順調に進んでいることが分かった。
ジューダスはモンスターを倒しながら、干支が描かれている扉がある部屋へとたどり着く。
「これは………確かにこんな仕掛けも施されていたな」
「ジューダスさんっ?!」
ジューダスは呼ばれた方に振り向くと、戌の扉から出てきたばかりのスタンたちと会った。
「良かった〜もう、会えないかと思いました!」
「ちょっと、今まで何してたのよ?」
等々、思い思いにジューダスに言葉を放つが、リオンだけがジューダスと視線を合わせようとしなかった。
「お前さんがいなかったせいで、リオンの機嫌が悪いんだ。保護者なら離れず側にいてやってくれ。八つ当たりを受けるのはゴメンさ」
ジョニーが肩を竦めて、ジューダスに訴える。
「僕は保護者のつもりは無いんだが………」
「お前さんがいないと、あの通りさ」
ジョニーに指された方を見ると、リオンがスタンに向かって「田舎者!」だとか「敵の攻撃を避けろ」だとかあれこれ指摘しているように見えて、八つ当たりをしていた。
それを見たジューダスは、スタンが少し不憫に思えたのだった。
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