長編

□願うならば……12
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今までのやりとりを見ていたジョニーは、こそっとルーティに尋ねた。


「リオンと彼は兄弟か何かなのか?」

「兄弟じゃないわよ。ただ、リオンが幼い時からの知り合いらしいわ。あいつ胡散臭いのよね〜 全てお見通しって感じ!でも、肝心な時にはいない変な奴よ」

「謎に包まれた人物ってとこか」


ジョニーが思考していると思いきや、歌が出来たと言ってルーティに歌おうとしたが、断られてしまった。


ジューダスが消えた先の道を眺めていたリオンの下に、スタンが寄って来る。


「大丈夫だよ、リオン。ジューダスさんなら直ぐ戻って来るさ」

「いや……しばらく戻って来ない気がするんだ」

「どうしてそう思うんだ?」

「何となくだ。そんなことより、スタン!よくも僕のことを子供扱いしてくれたな!!」


リオンがシャルティエを抜き、突き付ける。


「うわぁぁ!!ちょっ、待ってくれよリオン!俺はそんなつもりで言ったわけじゃないよ!」

「なら何だと言うんだ!」

「俺はリオンの事を大切だと思ってるから、守りたいだけだよ!!」

「…………っ、くだらん!行くぞ、スタン!」


踵を返すリオンを見て、また怒らせてしまったのかと思ったスタンだったが、リオンの耳がほんのわずかにだが赤く染まっているのを見て嬉しさが込み上げてきた。


「俺もジューダスさんに負けないよう頑張るぞ!」


1人心に誓うスタンであった。


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