長編
□願うならば……12
1ページ/4ページ
モリュウ領に着いたリオン達は、船着き場にティベリウスが来ており、町人が集まっているという話を聞いた。
リオン達も船着き場に着くと人集りが出来ており、ティベリウスがちょうど演説を行っていた。
「そやつが腰に下げている剣、我が国の宝剣ではないか!………そうか、貴様がリオン・マグナスか。奴らを捕らえよ!」
「やばっ!」
「逃げるぞ!」
リオン達はその場から逃げるが、宿屋の前まで来て立ち往生していた。
そんな彼らの下に青年が来た。
「ここは俺に任せて、あんたらはそこで隠れときな」
リオン達は宿屋に隠れると同時に兵が追ってきた。
「おい、こっちに逃げた奴らを知らないか?」
「知らないな〜それより、俺の曲聞いていくか?」
急に青年が歌い始めた。
しばらく歌っていると兵が嫌気をさし、その場から立ち去った。
「何だ?これからだっていうときに…………。あんたら出てきても大丈夫だぜ」
青年の合図と共に宿屋から出てくる一行。
「いや〜助かりました!俺、スタン・エルロンって言います」
「道化のジョニーとは俺のことさ。………あんたら何か訳ありみたいだが、もしかして例の助っ人かい?」
「そうだ。それより聞きたいことがある。グレバムって男を知っているか?」
「グレバムって、ティベリウスと共にいる奴か」
「僕らはそいつを追っている」
「なる程ね。まあここではなんだ、俺の隠れ家に行こう」
ジョニーが家の場所を説明し、早速向かう。
「リオン………僕は少し別行動をとらして貰うぞ」
「何故だ?」
「思い出してみろ。僕は旅人だ。地方に行けば、僕にもしなければならないことがある」
ジューダスが当たり前のように居ると思っていたリオンは、少し黙ってしまった。
「心配するな。合流はする」
リオンの頭を軽く撫でる。
「子供扱いするな!!」
「……スタン、リオンを頼む」
「任せて下さい!!ジューダスさんもお気をつけて」
ジューダスは1人違う目的のために離れていった。
.