長編
□願うならば……7
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ジューダスのことで多少の不信感が残るメンバーもいたが、リオンが何も気にせずジューダスと接しているためそれ以上追及することが出来なかった。
ディムロスもシャルティエに問うが、リオンと同様であった。
「いや〜リオンも強いけど、ジューダスさんも強いなぁ〜」
1人感心しているスタンだった。
「そんなことより、どうしてあんたは殆ど戦ってないのよ?!さっきみたいに、パッパッと片付けなさいよ!!」
ルーティがジューダスを指して言う。
「リオンが手を出すなと言うからな」
「なっ?!どういうことよ、リオン!?」
「貴様らみたいなのは、もっと戦闘経験を積むべきだ。隙が多すぎる!! 特にスタン!突っ込みすぎだ!攻撃にメリハリをつけろ」
「僕から言わしてみれば、リオンもまだまだだがな」
ジューダスが涼しい顔で言う。
そう言えばリオンが怒ることが目に見えているのに、敢えてリオンを茶化している。
「お前はどちらの味方だ?!」
「僕は、いつもリオンの味方だ」
「だったら!」
「なぜ、怒らせるのか?ってことか?」
リオンが頷く。
「簡単だ。ただ単に僕が楽しいからだ」
ジューダスの言葉にリオンの怒りが最高潮に達した。
「何よ、あれ。ただの痴話喧嘩じゃないの」
「いいなぁ〜俺もリオンとあんな会話してみたいよ」
「あんたじゃ無理よ」
神の目を追っている筈なのに、緊張感の欠片もないメンバーであった。
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