長編

□願うならば……6
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カルビオラに到着後、リオンたちは神殿を探し始めていた。

これから彼らがどういう行動をとるかを知っているジューダスは、自らのすべき行動を考えた。


「宿屋はスタン達がいるから、使えないとすると………やはり、酒場で時間を潰すしかないか」


ジューダス自身の行動も決まった。


カルビオラ自体がそれほど大きい街でないため、スタン達とすれ違う可能性が十分にある。

それを考慮したうえで、身を隠しながら酒場へと向かった。



*  *  *

フィリアと別れ、夜まで宿屋で時間を潰すことにした。

だが、リオンは街の様子を見にスタンたちと別れ、酒場の方に向かった。

リオンは街を一望できる場所に行き、街を眺めた。


『どうかしましたか、坊ちゃん?』

「なあ、シャル。この国の住人は本当にすごいと思わないか」


リオンが今考えていることを告げる。


「こんな砂漠の中で良く生きていける。僕にはとてもでないが無理だ」

『確かにそうですね。皆で協力しないと生きていけないのでしょう』


返ってきた返事は、リオンにとってあまり納得のいくものではなかった。

そして、リオンは自分にとってこの任務の重要性について話し出す。

それに対して、シャルティエは静かに聞く。


『……マリアンに会いたいですか?』

「何を聞くんだ、シャル」

『すみません。なら、あのジューダスさんですか?』


シャルティエの口から予想だにしなかった名前が飛び出し、リオンは一瞬躊躇した。


脳裏にあの時の必死な姿のジューダスが映し出される。



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