長編

□願うならば……5
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ジューダスはリオンをその部屋から離れさした。


ヒューゴの元へ嫌々ながらも、報告せざる終えない。

かつての自分がそうだったように。


「………………」


フィンレイを見て、顔を歪ませた。


「僕には………このような方法しか思いつかないことをお許し下さい」


ジューダスは深々と頭を下げると、自分もその場から離れた。

















そして、翌日。


フィンレイの葬儀が行われた。

犯人は不明。

ダリルシェイドの民や兵士、フィンレイを慕うものたちが葬儀に参列していた。


ヒューゴもまた例外ではない。


「……リオンに余計なことを吹き込まなければ、長生きできたものを」


そのヒューゴの声は、リオンにしか聞き取れないほどの小さいものである。


リオンは悔しさから、肩を震わす。


「………行くぞ」


多くの者がまだ悲しみに明け暮れている中、ヒューゴとリオンだけがその場を離れた。



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