長編
□願うならば……5
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「……………っ?!」
ジューダスがリオンの頬を挟み、無理矢理視線を合わさせた。
「僕を覚えているか、リオン!!」
「………ジュ、ー………ダス?」
己を覚えていたことに、一時的に安堵した。
「いいか、よく聞け!!僕は、何があってもリオンの味方だ! どれだけリオンが虐げられようと罵られようとしても、僕だけは側にいてやる」
ジューダスの言葉にリオンは目を見開く。
「………な、んで?」
「僕は、リオンを助けるために来た。これはヒューゴやフィンレイ様に命じられたからじゃない。これは、僕の意志だ!」
ジューダスはリオンを抱き寄せた。
そのままリオンが落ち着くまでずっとそうしていた。
「………ジューダスが僕にそれほどまでに肩入れする理由はなんだ?」
ジューダスは返答に困った。
そして、申し訳なさそうに苦笑した。
「……今はまだ、リオンに教えてやることはできない。だが、全てが終わったら…………必ず話す」
「……終わったらって、何があるんだ?」
その質問に対しても、苦笑するだけで答えなかった。
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