長編

□願うならば……4
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ジューダスが港に行けば、ジューダスを一目見ようと人々が遠くから伺う。


「旅人の方かい?」


気前の良さそうなおばちゃんが声をかけてきた。


「ああ。フィンレイという方に会いたいのだが……」

「フィンレイ様にかい?!お友達か何かかえ?」

「いや、とても剣に優れた方だと聞き、一度お会いしたく、遥々ダリルシェイドまで訪れて来たのだが、どうすれば会えるのか教えて貰えないだろうか?」


ジューダスの言葉におばちゃんは首を傾げてしまう。

今の会話を聞いていた街の人々も首を傾げてしまう。


「フィンレイ様はお忙しい方だから、中々会えないかもしれないね〜」

「今、長期任務に出られてたはずだ」

「それはどこに?」

「確か、スノーフリア辺りだった気がするの〜」


スノーフリアと復唱するとジューダスは考えた。


(確か………強力なモンスターが現れて、兵士を庇って負傷していたはずだ。あの時は、公にされていなかったから、殆どの者が知らない)


「それはいつ頃、ダリルシェイドを経ったか分かるか?」

「一昨日だった気がするの〜」


「そうか、助かった。礼を言う」

「若いのにしっかりしとるの〜」

「あんたみたいな美人さんと話が出来ただけでも、嬉しいんだよ!」


ジューダスは再び礼を言うと、急いでフィンレイたちの後を追った。



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