長編
□願うならば……3
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今がどの辺りかを把握したジューダス。
これからどうリオンと接触を試みたらよいかを思案する。
そんなジューダスがヒューゴ邸の前で立ちすくんでいる所に、メイド………否、マリアンがジューダスに近づいてきた。
その横には、マリアンを取られたことにか、少し拗ねた幼いリオンがジューダスを睨んでいた。
「どちら様でしょうか?ヒューゴ様に御用でしょうか?」
マリアンを軽く見下ろしながら、こんな会話をすると思っていなかったため、少し我を忘れてしまっているジューダスである。
「あの……」
「す、すまない。少し考え事していた」
ジューダスがそんな事を言ってる横で、ひそひそと会話する声が聞こえた。
「こいつ、シャルみたいに銀髪だな」
『そうですね、珍しいですよね〜 それより坊っちゃ〜ん!いいんですか?!』
「何がだ?」
『この人、マリアンに見惚れてましたよ!!』
「「シャルっ!!」」
『えっ?』
ジューダスはつい癖で思わず出てしまった言葉に、焦りを感じ始めた。
「お前………」
ジューダスはヤバイと思うが、もう後の祭りであった。
「お前、シャルの声が聞こえるのか?!」
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