長編
□願うならば…… 2
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宿屋でチェックインすると、直ぐ様備え付けてある鏡を凝視した。
そこに写ったのは見たこともない己自身であった。
あの時よりかは幾らか身長が伸びていた。
子供の時よりも大人びた顔立ち。
リオンの面影を残しつつも男性の顔。女性に間違えられるようなことはないだろう。
髪はあの黒髪ではなく、かつてのパートナーを思い出させるような銀髪。
髪が伸び、首筋にじゃれつくように張りついている。
どこから見ても、リオンだったということは分かりはしない。
それどころか、どこかの貴族の皇子のようである。
端から見たら誰もが一回は振り返るぐらいの美青年である。
「…………これが、僕?僕が成長すると、こうなるのか?」
全く別人の様な自分に動揺してしまう。
しかし、安心でもあった。
このままでも充分に動くことが可能であるし、何よりリオンと接触がしやすい。
「………この顔だと、何でもすんなりと通りそうだなι」
それにしても、美化しすぎではないのだろうか?と思うジューダスであった。
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