長編

□救出
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セインガルドを発ってアルメイダへ馬を走らせて早二時間。


目的地まで後数分。



「ここか……」



フィンレイはまず近寄らず遠くから眺めていた。


フィンレイの視線に気付かずに、その洞窟の入り口では盗賊たちが出入りを繰り返している。


「間違いない、あいつらだ」


フィンレイは馬から降り、ゆっくりと入り口に近付く。



剣を抜き、様子を窺う。


「あのガキ、もう俺たちの人形だな」


「ははは、だよな〜威勢が無いと犯しがいがねぇと思ったが……あれはあれでそそるな」


見張りの手下が高らかに笑う。


「……お頭もなかなか良いの見つけてき………た………あっ」


見張りの一人が途中で言葉を詰まらす。


「どうかしたか………お前はっ……?!」


もう一人が心配して振り向くと、胴から頭が切り離された仲間と殺気を醸し出しているフィンレイの姿があった。


「リオンはどこだ」


「知らねー!!皆でたらい回しにして………」


ドサッ


手下が言い終わる前に、フィンレイは相手の心臓を一突きした。


「………………」



フィンレイは冷めた目で死体を見下ろすと、洞窟の奥へと進んだ。



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