長編

□願うならば……28
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─────心配はいりません。これは、全てが終わった後の出来事です。エルレインもフォルトゥナも関係ありません。これは、私の我儘です。



『(そう。でも、僕の願いを叶えることが協力になるとは限らないよ?)』


─────いいえ、シャルティエさんならその答えを知っています。

今はまだ、それが何なのかは理解できないと思います。

だから、その願いが何かをこれから見つけて下さい。



『(ちょっと待ってよ!!今の僕に持っているわけじゃないのに、そんな賭けに出るようなことをしてもいいの?結果的に違っていたら、取り返しがつかないよ?!)』


─────はい、これは賭けでもあります。でも、シャルティエさんにしか出来ないことです。

ジューダスと一緒に過ごしてきたシャルティエさんだからこそ、嘘偽りのない願いがあることを信じています。


いえ、私はその答えを既に知っています。


ですが、それをシャルティエさんが本当に認識するまでは、私の力は及びません。


時間はあります。

考えて下さい。


『(考えてって、僕には!!)』



─────大丈夫です。それから、ジューダスに、ジューダスとの記憶があることは気付かれないように気を付けて下さい。

知られてしまえば、ジューダスに与えた力を使われて、私たちの目的は失敗に終わります。


お願いします。シャルティエさんが最後の頼みなんです。


時間がありません、くれぐれもジューダスのことを知らないふりをしていて下さい。




それ以降、リアラからの通信はなかった。


リアラが言っていたことには疑問が残るが、一つだけ確信したことがあった。


それは記憶を共有したことによって、あの違和感が無くなっていたことだった。


そして、懐かしさのあまりつい口から洩れてしまった。



『………おかえりなさい、坊ちゃん』



それがジューダスにはあまり聞き取れて無かったのと、タイミング良くリオンが入ってきたことでシャルティエは救われた。



『(危なかった〜僕に演技しろなんて、無理だよ!!でも、2人の坊ちゃんが側にいるのはちょっと嬉しいな)』


初めはそんなことを考えながらも、シャルティエはリアラに言われた通りに、ジューダスに気付かれないようにここまでこれたのであった。


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