長編

□願うならば……27
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スタン達が振り返った先にいたのは、ジューダスに支えられながらシャルティエを構えているリオンだった。


「ぼさっとするな、スタン!!早く止めを刺せ!!」


ジューダスが叫ぶと、スタンが我に返りミクトランに攻撃する。


「ミクトランっ!これで終わりだ!!……斬空天翔剣っ!!」


「ぐわああああっ!!……この私が……天上の王である私が……地上人共なんぞにっ!!」


ミクトランが神の目の前に移動する。


「私には神の目が………ぐわああああ!!」


しかし、神の目の力を抑えられなくなり、神の目によって消滅した。


「終わった、のか」


スタンが肩の力を抜く。


そして、思い出したかのように振り返った。


「…………リオン」


「スタン……っ」


「っと、大丈夫か?」


神の目の前にいるスタン達の所へ移動するも、思うように体は動いてくれない。


「リオンっ!ケガ、してるのか?」


「あの濁流の中から助けだした時の傷がまだ癒えていない」


リオンの代わりにジューダスが応える。


「!……ちょっと、癒えていないレベルじゃないわよ!!よくこんなリオンを連れ回せたわね」


ルーティがジューダスからリオンを奪いとるようにして、座らせた。


「アトワイト、最後に力を貸して」


『分かったわ、ルーティ』


ルーティがアトワイトでリオンに回復晶術を施す。


『スタン、時間がない。我らを神の目に突き刺すんだ』


「どういうことだよ、ディムロス?!」


『我らの力で神の目を破壊する。スタン達は刺したらすぐに脱出するんだ!』


「そしたら、ディムロスたちは!」


『良いんだ、我らは長く生き過ぎた。スタン』


スタンが迷っていると、ウッドロウがイクティノスを突き刺した。


その後に、フィリア、ルーティと続く。


「ディムロス……」


スタンとディムロスが別れの言葉を告げ、神の目に突き刺した。


「リオン、早くシャルティエを」


ジューダスが促すと、リオンがシャルティエに語りかけた。


「シャル、すまなかったな」


『何を言ってるんですか、坊ちゃん。僕はずっと坊ちゃんに着いて行くって決めてたんですから』


「シャル」


『それに、結果的にこうしてソーディアンの責務を果たせるんです。坊ちゃんには感謝していますよ。………それから、ジューダス。坊ちゃんを救って頂いてありがとうございました』


シャルティエの言葉にジューダスは短く返答した。


そして、リオンが神の目にシャルティエを刺した。



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