長編
□願うならば……26
1ページ/4ページ
翌朝、リオンは2人よりも早く目を覚ました。
シャルティエを持ち、外に出る。
『坊ちゃん、体の方は大丈夫ですか?』
「ああ、心配ない。随分楽になった」
『そうですか。それより、どうかしたんですか?』
シャルティエが心配そうに伺う。
「昨日、ジューダスとフィンレイ様が話している所を聞いてしまったんだ。意識が朦朧としていたから、はっきりと覚えてないんだが消えると……」
リオンが言葉を濁らせた。
『坊ちゃん』
「一体、どういう意m「リオン、こんなとこにいたのか」
リオンが言い終わる前に、ジューダスが後ろから声をかけてきた。
「もう、大丈夫なのか?」
「ああ、心配ない。フィンレイ様は?」
「フィンレイなら準備をしている」
リオンがジューダスに言われて小屋に入ろうとした時だった。
大きな爆発音がした。
その爆発音がした方に向くと、外郭大地に穴があき、一筋の太い光が伸びていた。
そして、光の影で見えた。
飛行竜が昇って行くところが。
「いよいよ、か」
「ジューダス、一つ聞かせてくれ。僕は本当に生きて、罪を償っても構わないのか?」
「ああ、構わない。それが例え苦難な道であろうと、リオンなら乗り越えられる」
ジューダスはリオンを抱きよせると、顎を持ち上げ視線を合わさせた。
「この先の未来に、ずっとリオンの幸せがあることを僕は祈り続ける」
そういうとジューダスは、リオンに触れるだけのキスをした。
「!!………///」
「これ以上、フィンレイを待たすのは良くない。穴が塞ぐ前に、僕たちもあそこに行こう」
ジューダスはリオンを離すと、小屋の中に戻っていった。
しばらくすると、フィンレイと共に出てきた。
三人はイクシフォスラーに乗り込むと、スタン達が明けた穴を通って、ダイクロフト内部に潜入した。
.