長編
□願うならば……25
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ソーディアンの真の意味での強化が終了した。
ソーディアン研究所から戻ってきた直後、今までの疲労と傷により、リオンがしばらく寝込んでしまった。
それこそ二晩は目を開けることが無かった程に。
今は休ますことを優先したので、リオンの回復を待つことしか出来ないジューダスとフィンレイであった。
「後どれぐらいこうしていられる?」
フィンレイが尋ねた。
「まだ、外郭大地は塞がったままだ。スタンたちがもう一度上に上がっていないことは確実だろう。だが、後どれぐらいで上に登るかは僕にも分からない」
「そうか」
「それまでにリオンが動ける状態まで体力を回復してくれれば良いのだが……」
『坊ちゃん……』
心配そうにリオンを全員が見つめる。
二晩経った後、一度は目を覚ましたリオンだったが、思う様に体を動かすことが出来ず、今でも眠っていた。
「何か、薬を調達してくるべきではないか?」
「そうだな。ダリルシェイドの様子を伺いながら、薬を調達してこよう」
ジューダスが立ち上がると、フィンレイが申し訳なさそうに見た。
「心配ないさ。アシュレイ様に見つかれば、自由に行動できなくなるしな。スタンたちに見つからないよう、気をつけるさ」
「ソーディアンは置いて行くのか?」
「ああ。下手にディムロス達に見つかると厄介だからな。リオンをお願いします」
フィンレイは頷くと、ジューダスを見送った。
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