長編
□願うならば……23
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それからしばらくして、リオンが目を覚ました。
「僕は、気を失っていたのか?」
「ああ。無理はするな。そんな体だ」
「そうだよ、リオン。無理は禁物だ」
2人してリオンの頭を撫でる。
「僕はもう子供じゃない!!」
それに対して怒るリオン。
こんな和んだ時間がいつまでも続けば良いと、ジューダスは思った。
「さて、そろそろ行かないといけないのではないか?」
「そうだな。ここからは、大変になるぞ、リオン」
「分かっている。本当に、お前たちの足手まといにならないのだな?!」
「ああ。当然だ」
三人はクルーザーに乗り込み、目的の洞窟の中に入っていった。
* * *
三人は襲いかかってくるモンスターを倒しながら、最深部へと向かう。
前線で敵を引きつけながら戦っているのは、もちろんジューダスである。
その戦いぶりときたら、フィンレイも関心する程のものである。
今回は、さすがのジューダスといえども、敵を自らの方へ引きつけているので、術技を多くしようしている。
だから、それを見たリオンを困惑していた。
「何で、僕と同じ技が使えるんだ!?しかも、レンズ無しで唱術も使えるのか!?」
『僕もこれはさすがに驚きです。本当に、不思議な方ですよ』
「リオン、余所見をするなっ!!」
フィンレイは敵を薙ぎ払いながら、指摘した。
「…………グランドラッシャー!!」
ほとんど体が動かないリオンは、後衛で唱術や回復などの援護を行っていた。
フィンレイはジューダスが捕えきれなかったモンスターをリオンに近づけさせないように、全て倒していた。
「…………ネガティブゲイト!!」
ジューダスが少し距離を置き、唱術でも応戦する。
しかし、ジューダスの唱術を逃れたモンスター一体が、リオン目掛けて襲いかかる。
「リオンっ!!」
それに気付いたフィンレイも、目の前にいるモンスターに阻まれて、助けることが出来ない。
『坊ちゃん!!』
「………っ、シャルっ!!」
少し動かせば、悲鳴を上げてしまう体。
それを堪えて、シャルティエを構える。
「魔神剣!魔神剣・双牙っ!!」
「シャドウエッジ!さらに、ブラッディクロスっ!!」
リオンの攻撃で怯んでいるモンスターの隙を狙い、ジューダスが唱術で止めをさした。
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