長編
□願うならば……22
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三人はリオンの容体もあり、小屋の中に入って、これからのことを話始めた。
フィンレイと同様に、ジューダスもリオンにヒューゴとミクトランのことを話した。
2人から同じ話を聞かされたリオンは、次第に覚悟を決めていった。
「ミクトランを倒すには、ソーディアンの強化が必要なんだ。そうだろ、シャル」
『……はい。強化とはつまり、僕たちソーディアン………オリジナルを上回らなければいけません。そのためには、ソーディアン研究所が必要なんです。ですが、それは……』
「心配するな。ソーディアン研究所ならある。恐らく、スタン達もそこへ向かっている筈だ」
ジューダスの言葉からスタンの名が出てきて、リオンは少し動揺した。
「心配するな。スタンとは合流しない。リオンがまだ生きていることを知られるわけにはいかないんだ。………少し、僕のミスでシャルティエの存在はバレテしまったが、問題はないだろう」
リオンには死角となっていて見えなかったが、ジューダスの両腕が透けていた。
それは、フィンレイも例外ではない。
「………ジューダス、まだ、大丈夫なのだな?」
リオンには分からないように、慎重に言葉を選ぶ。
「ああ。これぐらいならば。もう少し、もってくれれば良いのだがな」
フィンレイとジューダスの会話についていけないリオンは、彼らが一体何ついて話しているのかを問いたかったが、それは胸の内にしまった。
「リオンが動けるようになるまで待ちたいが、時間がない。リオン………これから、ソーディアン研究所に行くが、動けそうか?」
「…………これぐらい、何とも無い」
「僕たちの前で我慢はしなくていい。フィンレイ、リオンを頼む」
「分かった。だが、浮かない顔だな」
「研究所に行くには、洞窟を通らなければいけない。そこには、強力なモンスターがいる。戦闘は避けて通れないだろう」
研究所までには強力なモンスターがうじゃうじゃいる。
いくらスタンたちが通った後とはいえ、数は減ったとしても、モンスターの巣窟に足を踏み入れるのと変わり無い。
「リオンは私が守ろう。腕が鈍ってないと良いのだがな」
2人を安心させるように、笑ってみせた。
「僕は大丈夫です、フィンレイ様!足手まといになるのだけは嫌です」
「足手まといにはならない。シャルの晶術で援護してくれればいい。無理をされて、大事な時にリオンが動けないと困るからな」
ジューダスの言葉に、渋々ながらリオンは頷いた。
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