長編

□願うならば……22
2ページ/4ページ



三人はリオンの容体もあり、小屋の中に入って、これからのことを話始めた。


フィンレイと同様に、ジューダスもリオンにヒューゴとミクトランのことを話した。


2人から同じ話を聞かされたリオンは、次第に覚悟を決めていった。



「ミクトランを倒すには、ソーディアンの強化が必要なんだ。そうだろ、シャル」


『……はい。強化とはつまり、僕たちソーディアン………オリジナルを上回らなければいけません。そのためには、ソーディアン研究所が必要なんです。ですが、それは……』


「心配するな。ソーディアン研究所ならある。恐らく、スタン達もそこへ向かっている筈だ」


ジューダスの言葉からスタンの名が出てきて、リオンは少し動揺した。


「心配するな。スタンとは合流しない。リオンがまだ生きていることを知られるわけにはいかないんだ。………少し、僕のミスでシャルティエの存在はバレテしまったが、問題はないだろう」


リオンには死角となっていて見えなかったが、ジューダスの両腕が透けていた。


それは、フィンレイも例外ではない。



「………ジューダス、まだ、大丈夫なのだな?」



リオンには分からないように、慎重に言葉を選ぶ。


「ああ。これぐらいならば。もう少し、もってくれれば良いのだがな」



フィンレイとジューダスの会話についていけないリオンは、彼らが一体何ついて話しているのかを問いたかったが、それは胸の内にしまった。


「リオンが動けるようになるまで待ちたいが、時間がない。リオン………これから、ソーディアン研究所に行くが、動けそうか?」


「…………これぐらい、何とも無い」


「僕たちの前で我慢はしなくていい。フィンレイ、リオンを頼む」


「分かった。だが、浮かない顔だな」


「研究所に行くには、洞窟を通らなければいけない。そこには、強力なモンスターがいる。戦闘は避けて通れないだろう」


研究所までには強力なモンスターがうじゃうじゃいる。


いくらスタンたちが通った後とはいえ、数は減ったとしても、モンスターの巣窟に足を踏み入れるのと変わり無い。


「リオンは私が守ろう。腕が鈍ってないと良いのだがな」


2人を安心させるように、笑ってみせた。



「僕は大丈夫です、フィンレイ様!足手まといになるのだけは嫌です」


「足手まといにはならない。シャルの晶術で援護してくれればいい。無理をされて、大事な時にリオンが動けないと困るからな」



ジューダスの言葉に、渋々ながらリオンは頷いた。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ