長編
□願うならば……20
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ジューダスはイクシフォスラーに乗り込み、スタンたちによって破られたバリアーの場所から侵入した。
スタンたちの後を追って、最深部を目指す。
『ジューダスさん、大丈夫ですか?』
「………はぁ、はぁ、大丈夫だ。それより、今の何だ?!」
『おそらく、ベルクラントが発射されたのだと思います』
「!!………じゃあ、地上は」
『外郭大地に覆われてしまったかもしれません』
「くそっ、急がないと!!」
ジューダスは最後のワープ台に乗った。
ジューダスが見た光景は、スタンたちが這いつくばり、一人の金髪の男が立っていた。
『ミクトラン?!』
『その声は、シャルティエ!?』
『生きていたの?』
「誰だ、貴様は?リオンでは無いな?」
金髪の男・ミクトランが標的をジューダスに切り替えた。
「生憎だが、貴様に名乗るような名は持ち合わせてはいないのでな」
「リオンから奪ったか。何にせよ、ソーディアンマスターが一人増えた所で、同じことよ」
「ぅ、ジュー………ダ、スさん」
スタンが力を振り絞って、立ち上がる。
「悪いが僕には、時間がない。お前たちをここから助けることしか出来ない。僕がここを喰い止めてやる!だから、早くここから脱出しろ!!」
ジューダスがミクトランの前に立ちはだかった。
「しかし!!」
「貴様1人で、この私を喰い止めようと言うのか?くくく、笑止千万!なら、望み通り貴様から手を下してやろう!!」
ミクトランがベルセリオスを振り下ろす。
それをジューダスが、シャルティエで受け止めた。
「くっ………、早くしろスタン!!無駄死にしたいのか!!」
「それじゃあ、ジューダスさんはどうなるんですか!?」
「僕のことは気にするな!後から行く。僕は、お前たちより遥かにソーディアンを使いこなせる!!ソーディアンの本質を知っている!だから、早く行け!!」
ベルセリオスを薙ぎ払い、すかさず斬り込んでいく。
「皆……くそっ」
スタンは辺りを見渡すが、皆立てるほどの気力が無かった。
「ちっ!」
それを横目で確認したジューダスは、部屋の奥へとミクトランを追い詰めていく。
「ベルクラントを切り離す!」
「そうはさせるか!!」
ミクトランがジューダスに向かってベルセリオスを振り降ろそうとしたが、急に動きが止まったのだった。
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