長編

□願うならば……20
3ページ/4ページ



ジューダスはイクシフォスラーに乗り込み、スタンたちによって破られたバリアーの場所から侵入した。


スタンたちの後を追って、最深部を目指す。


『ジューダスさん、大丈夫ですか?』


「………はぁ、はぁ、大丈夫だ。それより、今の何だ?!」


『おそらく、ベルクラントが発射されたのだと思います』


「!!………じゃあ、地上は」


『外郭大地に覆われてしまったかもしれません』



「くそっ、急がないと!!」



ジューダスは最後のワープ台に乗った。







ジューダスが見た光景は、スタンたちが這いつくばり、一人の金髪の男が立っていた。


『ミクトラン?!』


『その声は、シャルティエ!?』


『生きていたの?』


「誰だ、貴様は?リオンでは無いな?」


金髪の男・ミクトランが標的をジューダスに切り替えた。


「生憎だが、貴様に名乗るような名は持ち合わせてはいないのでな」


「リオンから奪ったか。何にせよ、ソーディアンマスターが一人増えた所で、同じことよ」



「ぅ、ジュー………ダ、スさん」


スタンが力を振り絞って、立ち上がる。


「悪いが僕には、時間がない。お前たちをここから助けることしか出来ない。僕がここを喰い止めてやる!だから、早くここから脱出しろ!!」


ジューダスがミクトランの前に立ちはだかった。


「しかし!!」


「貴様1人で、この私を喰い止めようと言うのか?くくく、笑止千万!なら、望み通り貴様から手を下してやろう!!」


ミクトランがベルセリオスを振り下ろす。


それをジューダスが、シャルティエで受け止めた。


「くっ………、早くしろスタン!!無駄死にしたいのか!!」


「それじゃあ、ジューダスさんはどうなるんですか!?」


「僕のことは気にするな!後から行く。僕は、お前たちより遥かにソーディアンを使いこなせる!!ソーディアンの本質を知っている!だから、早く行け!!」


ベルセリオスを薙ぎ払い、すかさず斬り込んでいく。


「皆……くそっ」


スタンは辺りを見渡すが、皆立てるほどの気力が無かった。


「ちっ!」


それを横目で確認したジューダスは、部屋の奥へとミクトランを追い詰めていく。


「ベルクラントを切り離す!」


「そうはさせるか!!」


ミクトランがジューダスに向かってベルセリオスを振り降ろそうとしたが、急に動きが止まったのだった。

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ