長編
□願うならば……19
2ページ/4ページ
* * *
あれからしばらくして、戦闘が終わった。
スタンとイレーヌの会話の途中、強い風が室内に吹き抜けていった。
何事かと思って身を乗り出すと、目の前でイレーヌが飛び降りたのだった。
「………………っ!?」
スタンの叫びが響き渡る。
ジューダスも予期せぬ出来事に何も考えられなかった。
放心状態のスタンをルーティが見ている間に、ウッドロウ達はイクティノスを直しに隣室へと入って行った。
それらを漠然としながら見ていたジューダスだったが、しばらくして我を取り戻した。
「この隣でシャルを直せるのか……」
だが、今隣に行けば確実に彼らに見つかる。
彼らと合流するのは、まだ早いとジューダスは踏んでいた。
彼らと再会する時は、この歴史の終結のとき。
「それまでは、スタン達と鉢合わないように気をつけないとな」
そうこう思案している間に、どうやらスタン達の目的は終了したようだ。
ジューダスの耳には、ソーディアン達の声も届いてきた。
そして、彼らは次の目的地はミックハイルだという情報を得たのだった。
.