長編
□願うならば……19
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外郭大地へと出てくると、所々で晶術が発動されている。
「………あそこか。次は、あの建物か?」
ジューダスも敵をなぎはらいながら、進んでいく。
スタン達に追いつかない程度に進んでいき、空中都市の一つ・ヘルレイオスの内部に侵入した。
スタン達の後を追っているため、あちらこちらに仕掛けられている装置を解除することなく、ジューダスは楽々と進める。
また、敵もほぼスタン達が倒しているので、ジューダスが倒す敵はほぼ残党である。
そんなこんなで、遂に最深部までたどり着いた。
このヘルレイオスには、大きな機械が多いので隠れやすい。
ジューダスはスタンらから死角となるように身を潜めた。
そして、状況を窺う。
会話の内容は思うように聞き取れないが、敵のボスは自分の良く知っている声だった。
「………イレーヌ、か」
イレーヌの姿を確認するため、少し物陰から体を出す。
視線の先には、スタン達とイレーヌが戦闘している光景が飛び込んできた。
自分の知らない歴史を目の当たりにしたジューダスは、飛び出したい気持ちを何とか堪えるので精一杯だった。
本当はイレーヌも助けてやりたいと思っているが、それは歴史を改変する事と同じ。
それが嫌と言うほど分かっているため、ジューダスは身を隠しながら、全てが終わるのを待つしかなかった。
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