長編

□願うならば……18
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…………ス





声が聞こえる。




………ーダス



誰だ?



ジューダス!!




今度ははっきりと聞こえ、重たい瞼を持ち上げた。



目の前には綺麗なスカイブルーの髪を持った人…………いや、フィンレイがいた。




「大丈夫か?!ジューダス」



ジューダスは上体を起こした。



「まだ、無理をするな」



「ここは?」



「イクシフォスラーの中だ」


「イクシフォスラー………っ、リオンは?!」


全てを思い出したのか、ジューダスは飛びかかるようにフィンレイの服を掴んだ。



「応急措置は施したが、医者に診せないとかなり危険な状態だ」


「なら、早っ………?!」



急にイクシフォスラーが、いや、地球全体が揺れた。


「な、何だ?!今の衝撃は?!」


「まさか!?」


ジューダスは急いで外に出た。


それにフィンレイも続く。


「あれは、何だ?」


「あれは………ダイクロフト!?」


ジューダスたちの目の前で、ベルクラントが発射される。


発射されたことによって、地上の一部が破壊される。


舞い上がった岩や土が、外郭大地形成のために上空へとまき上がる。



「これが………」


初めて見る出来ごとに、ジューダスは自分を責めた。


「僕は……こんなことになるとは知らずに、ただ、マリアンを助けたいがために……」


「ジューダス、自分を責めるな。何も悪くない。ジューダスが裏切ってなくとも、結果は同じだ」


フィンレイは後ろからジューダスの体を抱きしめた。


抱きしめた体は、震えていた。



「罪を償わなければ……」


「そんな言い方をするな!私はジューダスやリオンを理解している。それは、かつての友であったスタンたちも気持ちは同じだ!それを知っているのであろう?」



「…………すまない。リオンを助け出した今、未来は変わる。僕にはまだやるべきことがある」



「そうだ。これからが大変なのではないのか?」


ジューダスは先ほどとは打って変わって、強い意志を持って頷いた。


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