長編
□願うならば……17
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(先程のリオン視点)
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僕はスタンたちを救うためここに残った。
それが僕に出来る最後のことだから。
シャルにも悪いことをさしてしまった。
本来の使命を全うさせてやれないことに申し訳なく思う。
「付き合わせてすまないな、シャル」
『僕のマスターは坊っちゃんです』
いつも通りの返事。
変わらないと思ったから、まさか、別の返事が返ってくると思わなかった。
何故、ジューダスが僕の目の前にいるのか?
何故、今になって現れたのか?
聞きたいことはいくつかあった。
だけど、ジューダスが僕を見る目はあまりにも真剣で、逆らうことなど出来なかった。
そしたら、急に手を取られ、気がつけば走り出していた。
「離せ!貴様も死ぬきか?!」
「死ぬつもりはないし、リオンを死なせるつもりもない!!」
「…………っ?!」
何故、この期に及んで僕を生かそうとする?
どうして?
ここから逃げ出すことなんて不可能だ。
ジューダスだって、巻き込まれるのは分かっている筈だ。
それなのに………
僕を助けるために、今、ここにいるのか?
走りながらリオンの脳裏には、走馬灯のように今までのジューダスの言動が浮かんでは消えていく。
そうか………
シャルの言ったとおりだ。
僕はこいつが
────ジューダスが好きなんだ