長編
□願うならば……16
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「ここにこんなものがあったのか……」
フィンレイが感嘆するほどの物、それはイクシフォスラーである。
そうジューダスとフィンレイは、地上軍駐屯基地跡地に来ていた。
(僕の感は正しかったな。これも、リアラの仕業か?)
この時代には無かった飛行手段。
イクシフォスラーさえあれば、これからは自由に行動が出来る。
「ジューダスは、これを操縦出来るのか?」
「はい。ただ、これは目立つから、必要最低限しか使わない」
「そうか。それ以外の手段はどうする?」
「………決めてない。それに、フィンレイが街に顔を出してしまうと、それこそ大騒ぎになりかねない」
フィンレイは死んでいることになっている以上、表立っての行動は控えなければいけない。
「なら、少し身なりを変えよう」
フィンレイはナイフを取り出すと、長い髪をまとめ、首筋あたりからナイフを入れ、髪の毛を切った。
「なっ…………」
まさかの行動にリオンは驚愕する。
「これで少しは、変わるか?」
荒削りなため、髪の長さが不揃いだが、先程までの印象とはがらりと一変した。
「………よく見ないと、フィンレイだとは思いません。ただ、アシュレイ様と鉢合わせしてしまったら、ばれる可能性はあるかと」
「アシュレイ、か」
「会いたいですか?」
「いや、そうでもない。私がいては、アシュレイを苦しめるだけだからな。それより、軽く整えてくれるか?」
ナイフを手渡されたジューダスは、不器用ながらもフィンレイの髪を整えだした。
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