長編

□願うならば……16
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* * *


「ここにこんなものがあったのか……」


フィンレイが感嘆するほどの物、それはイクシフォスラーである。


そうジューダスとフィンレイは、地上軍駐屯基地跡地に来ていた。


(僕の感は正しかったな。これも、リアラの仕業か?)


この時代には無かった飛行手段。


イクシフォスラーさえあれば、これからは自由に行動が出来る。


「ジューダスは、これを操縦出来るのか?」


「はい。ただ、これは目立つから、必要最低限しか使わない」


「そうか。それ以外の手段はどうする?」


「………決めてない。それに、フィンレイが街に顔を出してしまうと、それこそ大騒ぎになりかねない」


フィンレイは死んでいることになっている以上、表立っての行動は控えなければいけない。


「なら、少し身なりを変えよう」


フィンレイはナイフを取り出すと、長い髪をまとめ、首筋あたりからナイフを入れ、髪の毛を切った。


「なっ…………」


まさかの行動にリオンは驚愕する。


「これで少しは、変わるか?」


荒削りなため、髪の長さが不揃いだが、先程までの印象とはがらりと一変した。


「………よく見ないと、フィンレイだとは思いません。ただ、アシュレイ様と鉢合わせしてしまったら、ばれる可能性はあるかと」


「アシュレイ、か」


「会いたいですか?」


「いや、そうでもない。私がいては、アシュレイを苦しめるだけだからな。それより、軽く整えてくれるか?」


ナイフを手渡されたジューダスは、不器用ながらもフィンレイの髪を整えだした。



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